のどちんこやその周辺に口内炎ができた際、多くの人は「ただの疲れだろう」と考えがちですが、実はその背後に深刻なウイルス感染症が隠れている場合があります。一般的なアフタ性口内炎とウイルス性の炎症を見分けることは、適切な対処を行う上で非常に重要です。通常のアフタ性口内炎は、白っぽく丸い潰瘍が1つか2つ、のどちんこの表面や縁に現れます。これはストレスや疲労、粘膜の傷などが原因で、発熱を伴うことはほとんどありません。一方で、ウイルス性の代表格であるヘルパンギーナや手足口病の場合は、のどちんこの周辺だけでなく、軟口蓋と呼ばれる喉の奥の柔らかい部分全体に、直径1ミリから2ミリ程度の小さな水疱が無数に出現します。これらはすぐに破れて小さな口内炎になり、激しい痛みとともに38度から39度以上の高熱を伴うのが典型的です。特に子供に多い疾患ですが、大人でも免疫力が低下していると感染し、子供以上に重症化することがあります。また、アデノウイルスによる咽頭結膜熱、いわゆるプール熱の場合も、喉の強い腫れとともに口内炎のような所見が見られることがありますが、この場合は目の充血や目やになどの症状が同時に現れるのが特徴です。さらに、性感染症の一種であるヘルペス性口内炎の可能性も無視できません。これは単純ヘルペスウイルスの初感染時に起こりやすく、のどちんこを含む口内全体に多数の潰瘍ができ、歯肉が真っ赤に腫れて出血することもあります。見分け方の大きなポイントは「熱があるか」「複数の病変が広範囲にあるか」「他の部位にも症状があるか」の3点です。もしのどちんこの痛みに加えて高熱が出たり、手足に湿疹が現れたりした場合は、ただの口内炎として放置せず、速やかに内科や耳鼻咽喉科を受診する必要があります。ウイルス性の場合は特効薬があるものとないものがありますが、適切な対症療法を受けなければ脱水症状に陥る危険もあります。特にのどちんこ周辺は飲み込む力を司る場所であるため、ウイルスによる強い炎症が起こると食事や水分が摂れなくなり、体力の消耗が急激に進みます。自分の症状を客観的に観察し、少しでも異常を感じたら専門医の診断を仰ぐことが、重症化を防ぐための賢明な判断と言えるでしょう。
喉の口内炎とウイルス性疾患の見分け方