親知らずが顔を出す平均的な年齢
多くの人がいつかは経験するかもしれない親知らずの問題。正式には第三大臼歯と呼ばれ、一番奥に生えてくるこの歯は、一体いつ頃私たちの口の中に現れるのでしょうか。一般的に、親知らずが生え始めるのは、体の成長が一段落する十代後半から二十代前半にかけての時期です。だいたい十八歳から二十二歳くらいの間に、何らかの兆候を感じ始める人が多いと言われています。この時期は、親が子どもの歯の生え変わりを把握しきれなくなる年齢であることから「親知らず」という名前がついたという説は有名です。他の永久歯が十二歳頃までに生え揃うのと比べると、かなり遅れて登場することがわかります。なぜこんなに遅いのかというと、人類の進化の過程が関係していると考えられています。昔の人々は硬い木の実や生の肉などを食べていたため、頑丈な顎と多くの歯を必要としていました。しかし、調理技術が発達し、柔らかい食べ物が中心になった現代人の顎は、昔に比べて小さくなる傾向にあります。その結果、最後に生えてくる親知らずのためのスペースが不足しがちになり、様々なトラブルを引き起こす原因となっているのです。すべての人がこの時期に生えてくるわけではなく、個人差が非常に大きいのも親知らずの特徴です。三十代や四十代になってから突然生え始めたり、あるいは一生涯、歯茎の中に埋まったまま出てこなかったり、そもそも親知らずの元となる歯胚が存在しない人もいます。そのため、二十代を過ぎても何の兆候もないからといって、自分には関係ないと思い込むのは早計かもしれません。定期的な歯科検診でレントゲンを撮ることで、自分の親知らずが今どのような状態にあるのかを確認しておくことが、将来的なトラブルを未然に防ぐ上で非常に重要になります。