いつからだったか、はっきりとは覚えていません。ただ、朝起きると舌の側面がじんじんと痛む日が続くようになりました。最初は口内炎か何かだろうと軽く考えていたのですが、鏡で確認すると、そこには明らかに自分の歯の形に沿った跡がついていました。寝ている間に、自分の舌を力強く噛んでいたのです。その痛みは日中も続き、温かい飲み物や少し味の濃い食事がしみて、憂鬱な気分になりました。何とかしなければと思い、自分なりに原因を探り始めました。当時は仕事が非常に忙しく、毎日終電近くまで働き、家に帰ると疲労困憊で倒れ込むように眠る生活でした。おそらくストレスと疲労が原因だろうと見当をつけ、まずは睡眠の質を上げることから試みました。寝る前にスマートフォンを見るのをやめ、リラックス効果のあるハーブティーを飲むようにしたのです。少しは改善されたような気もしましたが、完全になくなることはありませんでした。決定的に状況が変わったのは、思い切って歯科医院に相談してからです。先生に診てもらったところ、私には軽い歯ぎしりの癖があること、そして奥歯の噛み合わせが少しずれていることを指摘されました。そこで、夜間に装着するマウスピースを作ってもらうことにしたのです。最初は口の中に異物がある感覚に戸惑いましたが、数日で慣れました。そして驚いたことに、マウスピースをつけ始めたその日から、ぱったりと舌を噛むことがなくなったのです。朝のあの不快な痛みがなく、すっきりと目覚められることがこんなにも快適だとは思いませんでした。私の経験から言えるのは、もし同じ悩みを持つ人がいるなら、一人で抱え込まずに専門家の助けを借りてほしいということです。原因は人それぞれかもしれませんが、解決への道はきっと見つかるはずです。