一度治っても、またしばらくするとぶり返してしまう、つらい唇のただれ。この負の連鎖を断ち切るためには、日々の生活の中で、唇を健やかに保つための「予防」を意識することが何よりも大切です。ここでは、唇のただれを繰り返さないための、いくつかの重要な生活習慣をご紹介します。まず、基本中の基本となるのが「徹底した保湿」です。唇は、自ら潤いを保つ力が非常に弱い部分です。乾燥を感じてから塗るのではなく、乾燥する前に、先回りして保湿する習慣をつけましょう。洗顔後、歯磨きの後、食事の後、そして就寝前など、一日に何度もリップクリームやワセリンを塗ることを日課にします。特に、寝ている間は口の中が乾燥しやすいため、寝る前に少し多めに塗っておくと、朝の唇の状態が大きく変わります。次に、「紫外線対策」も忘れてはなりません。唇は、紫外線に対して非常に無防備です。外出する際は、UVカット機能のあるリップクリームを使用することを習慣にしましょう。日差しの強い季節だけでなく、一年を通して対策することが理想です。また、「無意識の癖を治す」ことも重要な予防策です。唇を舐める、皮をむく、唇を噛むといった癖は、唇のバリア機能を破壊する最大の敵です。自分がどんな時にそうした癖が出やすいのかを意識し、気づいたらすぐにやめるように心がけましょう。ストレスを感じた時に癖が出やすい人は、ガムを噛んだり、深呼吸をしたりと、別の方法でストレスを解消する工夫も必要です。そして、体の内側からのケアとして、「バランスの取れた食事」を心がけます。特に、皮膚や粘膜の健康に必要なビタミンB群を、日々の食事からしっかりと摂取しましょう。最後に、もし口紅やリップクリームなど、特定の製品を使った時に唇の調子が悪くなるようであれば、それがあなたにとっての「アレルゲン」である可能性があります。思い切って使用を中止し、低刺激性の製品に切り替える勇気も必要です。これらの地道な予防策を、根気強く続けること。それが、ただれに悩まされない、健やかで美しい唇への一番の近道なのです。
唇のただれを繰り返さないための予防法