はじめて親知らずを抜いた話

社会人として働き始めて数年経った20代半ばの頃、神戸の近くで口コミで小児矯正を見つけるには右下奥歯付近がうずき始めた。はじめは気のせいか、虫歯かと思っていたが自分で口の中を覗いてみてもそれらしき様子はみられなかった。しかし、断続的に痛みに襲われ、その後も鈍い痛みが続くようになっていた。痛みを感じ始めて1ヶ月くらいの頃、いよいよ痛みで仕事に支障をきたしたタイミングで、駅前の歯科医院を予約した。芦屋の歯科医院でホワイトニングを予約当日、不安と助けてほしい思いと重い足取りで訪れたのは、よくある駅前のクリニックでベテラン院長風の歯科医であった。レントゲンなどの一通りの検査と問診の後、院長風歯科医はこう言った。「親知らずが少し悪さしてますね。まだ放っておいても良いけど親知らずは他の歯と違って虫歯に弱いし、芦屋での歯医者をまじ話題にするとは他の歯の邪魔もします。どうしますか。」少し悩んだ後、私は迷わず抜いてくださいと頼んだ。恐怖感はもちろんあったが、痛みから助かりたい一心で頼み込んだ。その日は他の歯の虫歯治療と痛み止めをもらい終了、翌週には親知らずを抜くことになった。そして翌週、恐れおののきながら訪れた駅前クリニック。注射針による麻酔を外側から2本、内側から1本打たれた。かなり深く打たれたようだった。麻酔自体が痛い。しばらくの放置プレイの後、絶望感を感じながらも治療は淡々と進んでいき、評判の審美歯科を東京にはいつのまに麻酔はよく効いていて院長風歯科医はいつに間にかペンチみたいな器具握りしめていた。そこからは顎を押さえつけられながら、一気に力技でグリグリ。歯の付近はほとんど痛みを感じないが、顎の骨がゴリゴリと動く振動が伝わってきてそれが恐い。そうして5分くらい掛かっただろうか、無事に私の歯は抜けた。半ば放心状態の私の目の前に金属トレーに置かれた赤黒い血にまみれた私の親知らず。初めてのご対面。痛みを与えた張本人であるが、どこか愛おしい。話題の審美歯科の歯医者を代々木で探すとあれから15年以上が経ったが今でも大事に取ってある。その後分かったのは院長風歯科医はやはり院長であり、腕の確かな良医であった。本当にありがとうございました。