知識
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私の親知らず抜歯と顔の腫れ体験記
あれは大学四年生の夏、卒業論文に追われていた頃でした。右下の奥歯がズキズキと痛みだし、日に日に悪化していくのを感じました。歯科医院に行くと、レントゲンを見た先生から「ああ、これは見事な真横だね。早く抜かないと隣の歯が危ないよ」と告げられました。覚悟を決め、抜歯手術の日を迎えました。麻酔のおかげで手術中の痛みはなかったものの、ゴリゴリと骨を削る音と振動が頭に響き、一時間ほどの処置は永遠のように感じられました。手術当日は、まだ麻酔が効いていたこともあり、痛みも腫れもそれほどではありませんでした。問題は翌朝です。目が覚めて鏡を見ると、そこには見たこともないほど右頬がパンパンに膨れ上がった、アンパンマンのような顔の自分がいました。触ると熱っぽく、ズキズキとした痛みが絶え間なく続きます。口は指一本分しか開かず、食事はウィダーインゼリーをすするのがやっと。痛み止めを飲んでも気休め程度で、その日は一日中、保冷剤をタオルで巻いて頬に当て、ベッドの上で呻いていました。三日目が腫れのピークだったと思います。内出血で頬が青紫色になり、そのグロテスクな見た目に、本当に元に戻るのかと本気で心配になりました。しかし、四日目の朝、ほんの少しだけ腫れが引いていることに気づいた時の安堵感は、今でも忘れられません。そこからは日を追うごとに回復し、一週間後にはマスクをすれば外出できるくらいになりました。あの経験を通じて学んだのは、親知らずの抜歯を甘く見てはいけないということ、そして腫れは必ず引くということです。これから抜歯を迎える方は、どうか数日間は安静にできるスケジュールを確保して、万全の態勢で臨んでほしいと思います。