つらい唇のただれは、外側からのケアだけでなく、体の内側、すなわち日々の食事内容を見直すことでも、その改善を早めることができます。皮膚や粘膜は、私たちが食べたものから作られています。ここでは、ただれた唇の修復を助け、健やかな状態へと導くための、食事のヒントをご紹介します。まず、最も積極的に摂取したいのが、皮膚や粘膜の健康維持に不可欠な「ビタミンB群」です。中でも、「ビタミンB2」は、細胞の再生を促し、粘膜を保護する働きがあるため、不足すると口内炎や口角炎、そして唇のただれを引き起こしやすくなります。ビタミンB2は、レバー、うなぎ、卵、納豆、乳製品などに豊富です。また、「ビタミンB6」も、タンパク質の代謝を助け、健康な皮膚を作るのに欠かせません。カツオやマグロなどの魚類、鶏肉、バナナなどに多く含まれています。次に、粘膜の抵抗力を高める「ビタミンA(βカロテン)」も重要です。ビタミンAは、皮膚や粘膜の潤いを保ち、乾燥や細菌の侵入から守るバリア機能を高めてくれます。にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などの緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。油と一緒に調理すると吸収率が上がるため、炒め物などで摂るのが効率的です。さらに、肌の土台となるコラーゲンの生成をサポートする「ビタミンC」も忘れてはなりません。ビタミンCには抗酸化作用もあり、炎症によって発生する活性酸素から細胞を守る働きも期待できます。パプリカ、ブロッコリー、キウイフルーツ、いちごなどに豊富です。これらの栄養素をバランス良く摂ることが基本ですが、唇がただれて痛む時は、食事内容そのものにも配慮が必要です。香辛料や酸味、塩分の強い刺激物は、患部にしみて痛みを増強させるため、絶対に避けましょう。熱すぎるものも同様です。おかゆやポタージュ、豆腐、茶碗蒸しなど、柔らかく、栄養価の高い、優しい味付けのものを中心に摂るように心がけてください。
唇のただれを食事で改善するヒント