2025年9月
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ストレスが引き金?睡眠と舌の関係
日々の生活で感じるストレスは、心だけでなく体にも様々な影響を及ぼします。その一つが、睡眠中に無意識に舌を噛んでしまうという現象です。私たちの体は、ストレスを感じると交感神経が優位になり、筋肉が緊張しやすくなります。この緊張状態は、眠っている間も完全には解けず、特に顎周りの筋肉に強く現れることがあります。その結果として起こるのが、歯ぎしりや食いしばりです。強い力で歯をギリギリとこすり合わせたり、ぐっと噛み締めたりする動きの中で、リラックスしているはずの舌が歯の間に挟まれ、傷ついてしまうのです。通常、リラックスした状態での睡眠中、舌は上顎の定位置に軽く触れるように収まっています。しかし、ストレスによって自律神経のバランスが乱れると、この舌のポジショニングも不安定になります。舌の筋肉もまた、他の体の部分と同様に緊張し、不規則に動いてしまうことがあるのです。特に、心配事や不安を抱えたまま眠りにつくと、眠りが浅くなりがちです。浅い睡眠の状態では、脳が活動的なレム睡眠の割合が増え、筋肉の緊張も高まりやすいとされています。つまり、精神的なストレスが睡眠の質を低下させ、それがさらに体の異常な緊張を招き、舌を噛むという悪循環を生み出している可能性があるのです。この問題への対処法は、ストレスの根本原因を取り除くことが理想ですが、それが難しい場合も多いでしょう。だからこそ、意識的にリラックスする時間を作ることが大切になります。瞑想や深呼吸、軽いストレッチなどを就寝前の習慣に取り入れ、心と体の緊張を和らげてから布団に入ること。それが、ストレスによる夜間のトラブルを防ぎ、穏やかな眠りへと導くための重要な鍵となるのです。