2025年7月
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親知らず抜歯で顔が腫れる本当の理由
親知らずの抜歯後、多くの人が鏡を見て驚くのが、パンパンに腫れ上がった自分の顔です。まるで別人のようになってしまった頬に、何か大変なことが起きたのではないかと不安になるかもしれません。しかし、この顔の腫れは、基本的には体が正常に傷を治そうとしている証拠であり、過度に心配する必要はありません。この記事では親知らず抜歯で顔が腫れる理由を詳しく解説します。親知らずの抜歯、特に下顎の骨に埋まっているようなケースでは、単に歯を抜くだけでなく、歯茎を切開し、時には歯を分割したり、周囲の骨を削ったりする外科的な処置が必要になります。これは、口の中で行われる「小さな手術」に他なりません。体は、この手術によってダメージを受けた組織を修復するために、すぐさま活動を開始します。傷ついた部分に血液中の修復成分や栄養をたくさん送り込むために、周辺の血管を拡張させます。その結果、血液やリンパ液などの体液が組織の間に染み出し、その部分が風船のように膨らむのです。これが「腫れ」の正体であり、医学的には「炎症反応」と呼ばれます。この炎症反応には、腫れのほかに、痛み、熱っぽさ、赤みなどが伴います。つまり、顔が腫れるのは、体が一生懸命に傷を治そうと頑張っているサインなのです。もちろん、腫れの程度には個人差がありますが、この体の自然な治癒メカニズムを理解しておけば、抜歯後の不安も少しは和らぐはずです。これは、回復へと向かう正常なプロセスの一部なのです。